元某大学テニス部コーチブログ

学生テニスプレーヤーへ

大学で部活に入ると就職に有利ですか?はい。その理由を説明する。

大学で部活に入ると就職に有利ですか?

 

某大学テニス部では、コーチである私も選手から要望があれば就職活動の相談にのっています。

 

「テニスに打ち込む若者の未来が明るいものになるよう支援する」

 

それが私の生き甲斐なので、テニスに限らず学生から「相談にのってほしい」という連絡をいただくのはとても嬉しかったりします。

 

私は、比較的安定した外資系のIT企業で正社員としてマーケティングに関わるようになって何年も経っているのと、フリーランスや起業の経験もある、ちょっと変わったテニスコーチです。

 

なので、「起業したい」や「フリーランスで仕事したい」、「ベンチャーに挑戦したい」、「大手に入りたい」など、なんでもござれ。私の話す内容がすべて正解だとは思いませんが、少しは力になれるかなと思います。

 

ところで、新型コロナウィルスの影響で今後の雇用は冷え込みそうですね。就活生は不安が多いのではないでしょうか。

 

つい先日も「就活が本格的にはじまったのですが、早くも路頭に迷っています」という学生の相談にのりました。

 

信頼するひとりの若者が、自分の将来に希望を見出す瞬間に立ち会うことができたのが本当に嬉しかった。

 

それはまだ、確固たる希望ではないかもしれませんが、本人が最後に確固たる希望を見出すきっかけくらいにはなったのではないかなと思います。

 

すみません、自慢話はこれくらいにして本題に入ります。

 

部活に入るだけで就職に有利?その答えは「いいえ」

 

「大学に進学した目的は良い仕事に就くためなのに、部活なんかやっていていいんだっけ?」

 

「部活は辛いし、将来のためになるかと言われたら疑問だから、辞めようかな…」

 

これはテニスに限ったことではないのですが、大学で体育会に所属する多くの部員が、壁にぶつかるとこのように考え、弱気になります。

 

しかしそれは損する考え方です。

 

大好きなテニスに本気で打ち込める上、それを就職活動に活かすことは可能です。

 

ただし、そのためには押さえておかないといけないポイントがあります。今回はそれについて説明します。

 

よく「部活に入るだけで就職に有利」と考える人がいますがそれは間違いです。

 

履歴書や面接で「大学の体育会で部活動に励んでいました」と主張しても、企業の担当者は「そうなんですね。それで、何か成し遂げたことはありますか?」と聞かれます。その中身の方が重要です。

 

そういった意味で有利な局面があるとしたら以下でしょうか。

 

残りひとつの内定枠に最後の2人にまで絞られたとして、その2人が甲乙つけがたいとなった場合。

 

ひとりは体育会で活動していて、もうひとりはそうではなかった時に、体育会に入っていたことが決め手となる可能性はゼロではありません。

 

つまり、体育会に入っていただけではダメということを意味しています。重要なことは、そこで「何をしてきたか」です。なので、部活を辞めても就職が不利になることもありません。

 

ここまで読んで「なんだ、ぜんぜん有利じゃないじゃん」と思った方もいるかもしれません。

 

では、記事タイトルにある「部活が就職に有利となる理由」とはどういうことか、説明します。これは、選手だけでなくマネージャーにもいえることです。

 

 

企業がほしがる人材像は部活でチームを正しい方向に導く部員と同じ

 

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よく「正解のない問題に取り組むのが仕事」というフレーズを聞くと思いますが、社会人になると本当にこれが良くわかります。

 

例えば、

 

マーケティング職の場合「売上を上げるためにはこの販促施策が正解かもしれない。いや、やっぱこっちの施策が正解かもしれない。どうしよう」

 

営業職の場合「このお客さんにうちの製品を買ってもらうためにはこう話した方がいいかもしれない。いや、やっぱこう話した方がいいかもしれない。どうしよう」

 

技術職の場合「このアプリを多くの人に使ってもらうためには、こうやってプログラムを書けばいいのか。いや、やっぱこう書いた方がいいかもしれない。どっちの方がいいんだ?」

 

事務職の場合「この作業を早く終わらせるためにはこうした方がいいかもしれない。いや、この手もあるな。どっちにしよう」

 

その繰り返しです。

 

これらの問題に対して自分(または自分たち)で判断基準を定め、それを理由に決断し、説明し、実行し、結果を出していくのが仕事です。

 

さらに、その経験を活かし、次回はさらに改善を加えることで生産性を上げていければそれは企業の収益拡大につながります。

 

企業は、それができる人をほしがっています。

 

そして、これは部活を真剣に取り組んでいる選手やマネージャーが考えていることと同じです。

 

選手は、自分が勝利という結果を出すために「今もっとも強化すべきは、サーブ?フォアハンドストローク?バックハンドストローク?それとも、試合経験?」という問題と毎日しっかり向き合わなくてはいけません。

 

自分自身が、何をいつまでにどれだけやればいいのか。またそれはなぜか。これは一年生のうちから部員みんなが取り組むことができます。

 

今年の部が一丸となって、個々人の成長を最大化するために「目標は何にすべき?昇格?それとも3位残留?その目標を達成するために、練習はどれだけ必要?どこまで強制する?まずダブルスを強化すべき?それともシングルス?」という問題としっかり向き合わなくてはいけません。

 

チームとしては、何をいつまでにどうすればいいのか。またそれはなぜか。これは幹部の代になった時に担うことができます。

 

マネージャーも、チームの目標達成のために、何が足りなくて、自分たちには何ができるのか、それを考えることができます。

 

企業でも大学の部活でも、前任者がやっていることをするのが仕事ではないのです。活動には目的があり、それを達成するために手段があります。大切なことは目的を達成することであり、手段を守ることではありません。

 

こういうことを日常的に、真剣に、深く考え、決断し、日々活動し、やり切ることで、成長を実感できるのが体育会の最大のメリットです。

 

これを一年生の時から理解して実践していれば、就活の際も、ゴールから逆算し、自分がやるべきことを自分で導きだし、実行することができます。

 

もちろん、自信も持てるようになります。

 

そしてそれは、採用面接の際の振る舞いや言動ににじみ出ます。それは面接官に一瞬で伝わるものです。

 

部活が就職に有利に働く理由はこういうことです。

 

就活を成功させるためにも、今、目の前にある大好きなテニスに、全力で向き合えることを心から祈っています。

 

たとえ、部活で目標達成という結果が出せなかったとしても、それまでの正しい経験が必ず就活で活かせるから、大丈夫。

 

それではまた、きっとどこかで。