メンタルを強くする方法は、本番で自分と向き合う時間をたくさん持つ以外ない。その理由。
今回は、メンタルを強くするために理解しておきたいことと、メンタルを強くする方法について書きたいと思います。
具体的には次の2つの話をします。
- メンタルに強い弱いはない。もともとみんな弱い。強く見える人は、対処法を知っている人。
- その対処法を見つけ習得する手段は、本番で自分と向き合う時間をたくさんつくる以外ない。
ひとつずつ、どういうことか説明していきます。
1. メンタルに強い弱いはない
一般的に、メンタルは、ある状況に置かれた時に、自分の力を発揮するために必要な心の強さと考えられています。
しかし、そう考えてしまうと、「メンタルの強さは持って生まれたものなのではないか?」などと考えてしまい、メンタルを強化する方法を見出しづらくなってしまいます。
逆にいうと、その考え方を変えれば、メンタルを強くする方法は見い出しやすくなります。メンタルを上記のように解釈している人は、是非、この記事を読んで考え方を変えてみてください。
ここでは、テニスを例に話しますが、他のスポーツや仕事の場にも共通することがほとんどです。多くの方の参考になれば幸いです。また、「参考になった!」という方はSNSでシェア・いいね、お願いします。
先日、最年長ATPランカーの松井俊英プロの話が聞けるメンタルアカデミーというオンラインセミナーに参加しました。
そこで松井プロが話していた次の一言を理解することが、メンタルを強化するための第一歩です。
「メンタルに強いも弱いもないと考えるようになりました。あるのは、その時、強い心を維持するために必要な自分の対処法を知っているか知らないかだなと」
どんなに強い選手でも、自分にとっての大舞台では緊張するものです。わかりやすく極端にいえば、どんなに強い選手もみな人間なので、メンタルは弱いということです。
メンタルが強いといわれている選手は、その時自分はどう考えてしまい、それを解消するために自分の場合はどうすればいいのか、何に意識を集中すればいいかを知っていて、それを実践できるから、メンタルが強く見えるのです。
まずはこれを理解する、それがメンタルの弱い選手が強い選手に生まれ変わる第一歩です。
そして、もうひとつ、次のことを理解できれば、正しく行動でき、きっと生まれ変わることができると私は考えています。
2. 本番で自分と向き合う時間をたくさんつくる
例えば、テニス選手によくある「勝ちビビって逆転負けします。どうすれば勝ちビビりを解消できますか?」という質問に対して、コーチは具体的な答えを持っています。
一般的に、それを聞き、それを理解することこそが重要な一歩であると考えられています。
ただし、それを聞いただけでは克服できないということを理解しておく必要があります。解消するためにもっとも重要な一歩が聞くこと以外にあります。
それが、自分と向き合い、自分で自分の答えを導き出すということです。
逆にいうと、これをやれている選手は、コーチにアドバイスをもらわずして対処法を見い出しており、いわゆるメンタルの強い選手になっています。
つまり、コーチのアドバイスは、対処法を見い出すために不可欠なものではないのです。
「そうか、こうすればいいのか」という確信的な対処法は、自分で導き出すしかないのです。
自分で導き出すしかない理由をもう少し説明します。
例えば、勝ちビビりを解消するためのアドバイスには以下があります。
- 自分の動作がどうなっているのかを冷静に分析する
- その動作を改善することだけに全神経を集中する
- それを確実に実行するためにポイント間に自分に言い聞かせる
- 一定したアグレッシブなプレーを継続する
これらについての詳細はまた次回書きます。ここで伝えたいのは、これを理解したとしても、次の試合でこれらを実践することは不可能ということです。
なぜなら、試合中の思考には癖があるからです。必ず「わかってはいるけどできない」という壁が立ちはだかります。
どうしても意識が違うところに向いてしまう自分が現れるのです。それが、最後の答えは自分で導き出すしかない理由です。
それをどうやってコントロールするのか。その対処法は、100人いれば100通りです。
「この時、自分はこう考えているな。そうか、それをこう言い聞かせて、ここに意識を集中すればいいのか!」
こういった気づきを自分で得て初めて、対処法を確立することができます。
そして、これは、何度もこの状況に身を置かない限りできません。もちろん、試合の緊張感は練習では再現できません。
だから、試合経験をたくさん積むことが重要なのです。そして、その試合で自分とたくさん向き合えば、確実にメンタルを強くしていけます。
これがメンタルを強くする唯一の方法です。
そして、普段から、自分で自分の答えを導き出すという習慣を身につけることです。
試合中、ベンチにコーチはいません。その相手に勝つためにやるべきことを自分で導き出す能力は勝つために必須です。
ちなみに、その能力は、社会人になってから何度もあなたを救ってくれます。
それではまた、きっとどこかで。