元某大学テニス部コーチブログ

学生テニスプレーヤーへ

試合で緊張しない方法はないが、ほぐす方法はある。誰にでもできるセルフトークとは?

試合で緊張しない方法はない

 

今回もすべてのスポーツに共通する話です。試合の時の緊張にどう対応すればいいか、それを理解するために、次の3つの話をします。

 

  1. 試合の緊張とは?それは受け入れるもの
  2. 緊張をほぐす方法は「やること」に集中
  3. 意識を集中するための「セルフトーク

 

この話は、本番の試合に勝つために今も週3ほどテニスをしている私自身の経験から得た気づきを明文化しています。

 

私はこれを体得し、すべての試合本番でいい意味で緊張から解放され、自分のパフォーマンスを最大化することに集中できています。

 

とはいえ、ここに書いていることが万人に当てはまるとはかぎりません。それでも、もしあなたが「試合の緊張対策を身につけたい!」という強い気持ちがあるのなら、試してみる価値はあると思います。

 

では、さっそく本題です。

 

1. 試合の緊張とは?それは受け入れるもの

 

まずは、緊張をどう受け入れるかという話からします。

 

「大会に出れば、誰でも試合本番は緊張するもの。緊張しない人はいない

 

私は、こう考えることをおすすめします。

 

稀に「俺は緊張しない」という人がいますが、緊張する人はそれを目指す必要はありません。

 

理由は、緊張は勝つか負けるかの真剣勝負に向き合おうとしている証だからです。

 

むしろ緊張があるから、それを乗り越えられた時に、自分史上最高の力が発揮されるのだと思うのです。

 

だからいっそのこと「緊張しない方法はない」そう考えましょう。

 

でも安心してください。緊張は誰にでも和らげることができます。

 

では、その誰にでもできる、緊張を試合序盤で和らげ、ほぐす方法に話を移します。

 

2. 緊張をほぐす方法は「やること」に集中

 

これは、試合序盤だけでなく、例えば前日など、試合前の緊張を和らげたい時も同じです。

 

その方法はいたってシンプルです。

 

「やることを決めて、やることに意識を集中する」

 

プロのスポーツ選手も皆、言い訳をせず、ただただそれを実行しているから、緊張していないように見えるのです。

 

人間は、自分がやることがハッキリしていない状態で本番の場に立たされた時に緊張する生き物なのです。

 

何をすればいいかわからないのに本番でひとりになったらそれは誰でも緊張します。

 

例えば、ある会場にいる見知らぬ30人に「はいはい、みんな聞いて」と突然ある一人がみんなの注目を集めてあなたのことを紹介しはじめたとします。

 

そこで「では一言お願いします」と急に話を振られれば誰でも緊張します。もちろん、その時の緊張の大小には個人差がありますが。

 

また、緊張している間は皆、やること以外のことばかり考えてしまいます。

 

「え、どうしよう。何も用意してなかった」

「みんな自分にめちゃくちゃ注目してる。どうしよう」

 

テニスも同じです。緊張している間は、例えば以下のようなことばかり考えています。

 

「相手、上手いな。何でも返してくる」

「みんなが応援してくれてる」

「チームのために勝たなきゃ」

「親が観てる」

「コーチが観てる」

「風が強いな」

「太陽がまぶしいな」

 

こう考えている間は、緊張が消えることはありません。

 

そんなことばかり考えてしまっている自分に気づき、自分がやることを決めて、やることに意識を集中し、やる。

 

それができれば緊張は必ず消えてなくなります。

 

その「やることがわからない」という方は次の記事も合わせて読んでみてください。

 

 

ただ実は、緊張をほぐすという観点だけでいうと、ここでいう「やること」は何でもいいのです。

 

もちろん「勝つためにやるべきこと」がわかっているにこしたことはありません。

 

それでも今回の論点である、緊張をほぐすことだけを目的とした場合は、必ずしも勝つために必要なことである必要はありません。

 

乱暴な言い方をすれば、何でもいいから「試合でやること」を何かひとつ決めて、それを実行することに意識を集中できれば、緊張はなくなります。

 

技術的なことでもいいし、戦術的なことでもいい。何でも大丈夫です。

 

具体的には、例えば以下です。

 

「スプリットステップ直後にラケットは頭の後ろに準備しろ」

「足をもっと速く動かせ」

「力ではなく打点の質に頼れ」

「ひたすらセンターに打ち込め」

「順クロスに深く打ち込め」

「チャンボも全部センターに打ち込め」

 

特に試合序盤は難しいことではなく、基本的なことを意識することになるでしょう。

 

いくつも例を出したが、実際は1つか2つ程度しか意識できません。プレーしながら3つ以上のことを意識するのは難しいものです。

 

たとえ何が正解かわからなくても、ひとつ決めて、やる。

 

そのことに全神経を集中できれば、緊張はすぐに消えます。

 

3. 意識を集中するための「セルフトーク

 

ただそれでも、無意識に違うことを考えてしまうものです。

 

そんな時は、試合中、口に出してやることを自分に言い聞かせるのです。

 

ブツブツと自分に唱えます。要は独り言です。専門用語でそれを「セルフトーク」といいます。

 

そうすれば、やることに全神経を集中できます。

 

最後は参考までに、私がよく使うセルフトークを紹介します。

 

私の場合、以下のセリフをポイント間に言い聞かせていることが多いです。

 

セット序盤

ステップ直後に速く大きくテイクバック。筋力ではなく打点の質に頼れ。

 

セット終盤

ステイアグレッシブ!打点の質!

 

私の場合、戦術的なことを意識しすぎると打ち急いでミスにつながることが多いです。

 

そのため、「すべて一番簡単なコースに打つ」と決め、リスクのあるコースに攻めるタイミングは直感に任せています。

 

是非、たくさん試合経験を積んで、「やることに集中」を実践してみてください。

 

きっとすぐに、緊張に対応できる選手に生まれ変われると思います。

 

また、試合中に調子を上げる方法のひとつとして、次の記事も参考にしてみてください。

 

 

それではまた、きっとどこかで。