元某大学テニス部コーチブログ

学生テニスプレーヤーへ

打った直後から相手の打点の分析をはじめれば次の一歩目が早く正確に出る

テニスはよく「時間と空間の奪い合い」といわれています。これをもっとわかりやすくいうと「打点の奪い合い」です。

 

テニスは、相手が打点に間に合わない状態、打点に入れない状態をつくるゲームです。

 

なので、相手の打点がどうなっているか把握することは非常に重要です。

 

また言うまでもなく、自分の打点がどうなっているか把握することも重要です。

 

相手の打点を把握し、自分の打点を把握し、相手の打点を先にズラす。それがテニスです。

 

逆にいえば、正確に自分の打点に入れるようになることを求められるのがテニスです。

 

今回は、次の疑問に答えたいと思います。

 

どんなボールに対しても自分の打点に入れるようになるためにはどこをどう改善すればよいですか?

 

この答えを導くために、まず、相手が打ってから自分が打つまでの動作を時系列に並べてみます。

 

ベーシックなシチュエーションでは、一般的に以下になると思います。

 

  1. 相手が打つと同時にスプリットステップをする
  2. 一歩目を出すと同時にテイクバックをはじめる
  3. テイクバックをしながらベストな打点に移動する
  4. 軸足をつくりフォワードスイングをはじめる
  5. ボールを打つ

 

前述の問題の答えは、この5つそれぞれを改善することで実現できます。

 

しかし、すべてを同時に改善することは難しいので優先順位をつけるべきです。

 

このブログで繰り返し伝えている通り、改善するともっとも効果の上がる点をまず改善するのが最短で強くなるための鉄則です。

 

打点から遠いところをはやく、打点の前後はゆったりと

 

次に、もっとも効果的なポイントを導くためのひとつの考え方を紹介します。

 

冒頭に書いた通り、テニスは打点が命です。自分の打点にさえ入れればプロのボールも打ち返すことができます。

 

命である打点の直前直後に難しいことをすべきではありません。打点の瞬間がもっとも容易な状態になるように、打点からもっとも遠い時点から、素早く準備していくことが重要です。

 

つまり、もっともボールが遠くにある、相手がボールを打った直後の準備を早く、かつ動作を速くし、ボールが近づくにつれて、じっくり迎え入れて、安定した動作で楽にボールをヒットすることを目指します。

 

プロの選手がいとも簡単にボールを打っているように見える理由は、それを実践しているからです。

 

以上の理由から、前述の5つであれば1のスプリットステップからの一歩目の早さを改善することがもっとも重要といえます。

 

打った直後がもっとも遠い

 

では、その一歩目をより早く、正確に出すためにはいつ何をすればいいでしょうか?

 

この答えが今回のもっとも重要なポイントです。

 

「打点から遠いところから改善すべき」と書きました。「打点から遠いところは相手が打つ瞬間」とも書きました。しかし、もっと遠い瞬間があります。

 

それは、自分が打った直後です。

 

この瞬間から次の準備をはじめます。それが、次の一歩目を早く正確に出す秘訣です。

 

球種、球威、コースの順に分析、把握する

 

具体的に説明します。

 

次に自分が動く方向は、相手の打点に対するラケットの入り方と面の向きで決まります。

 

自分が打った直後は、相手のテイクバックの形を観て、次の相手のショットがスライス系かスピン系か、また、強いボールか弱いボールかを分析し、把握します。

 

「分析する」というと難しく聞こえますが、「観て、どんなボールが返球されるかイメージする」だけで大丈夫です。

 

これにより、次の一歩目を前方に出すか否か想定できるようになります。

 

さらに、相手を無理な体勢に追い込めている場合、その体勢から打てるコースを絞り、次の一歩目を左右どちらの方向に出すか想定します。

 

ここまでが、自分が打ってから相手が打つまでの短い間に実践することです。

 

そして、次がもっとも重要な瞬間です。

 

相手がボールを捉えている瞬間、ボールとラケットが接触している瞬間の面の向きをシッカリ観ようとします。

 

自分が打った直後は、その事に全神経を集中するくらい相手の打点の瞬間の面の向きを観ます。それ以外のことは考えず直感に任せればいいとさえ言えます。

 

それくらい、相手の打点の瞬間の面の向きを観ることは重要です。それをすると、次の一歩目が自ずと早くなり、自分のパフォーマンスが格段に上がります。

 

次にテニスをする際は、是非これを強く意識してみてください。

 

ちなみに、これをすることで一歩目の反応速度が速まると、結果的にスプリットステップが片足着地になります。両足で着地する前に動き出せるためです。

 

是非このレベレを目指してください。

 

打った直後は相手のフォームを観ろ!さらに、相手のラケットがボールを捕らえている瞬間の面の向きをシッカリ観ろ!