元某大学テニス部コーチブログ

学生テニスプレーヤーへ

油断しない選手になるためにテニスのルールを正確に理解する

試合に勝つために戦うテニスプレーヤーたちは皆必ず「油断する自分」と戦う時期があります。

 

油断が原因で、格下の相手に負けたり、必要以上に試合が接戦になったり。もしかしたら油断している自覚がない選手もいるかもしれません。

 

正しい知識と強い意志があれば、誰もが皆、油断しない選手になれます。

 

今回は、油断している選手が油断しない選手に生まれ変わることを目指して、意識を変えるために必要な話をしたいと思います。

 

油断には大きく分けて次の2つがあります。

 

  1. ポイントやゲームを取った直後の油断
  2. 格下の相手に対する油断

 

今回は、1つ目の油断について書きます。2つ目の油断についてはまた別の機会に書きたいと思います。

 

人は天狗になるとノープランになる

 

多くの選手が「ポイントを取った」「ゲームを取った」「エースを取った」直後は気を良くします。

 

「よっしゃぁ!今のプレーは完璧だった!どうだ、見たか」

 

このこと自体は問題ありません。プロの選手も大事な局面でポイントを取ればガッツポーズをしています。

 

問題はこの「よし!」と感じている時間の長さとその直後に考えている内容です。

 

油断しやすい選手は、この良いプレーの余韻に浸る時間が長く、次のポイントをどう取っていくかを具体的にイメージする作業を忘れます。

 

ノープランのまま次のポイントに入ってしまうため、ポイントを連取できません

 

一方、油断しない選手は「よし!」という一言の直後に、そのポイントのことは忘れて、次のポイントのことをイメージしはじめています。

 

逆にいうと、ポイントを連取できない選手は油断している、ポイントを連取できている選手は油断していない、とも言えます。

 

「自分は油断していない」と思い込んでいる選手も、このことを理解することで実は油断していたということに気づけるかもしれません。

 

その新たな自覚は、大きく成長するチャンスです。対策することで勝率を大きく上げることができるので、是非この機会に対策しましょう。

 

油断している選手は過去のことを考えている時間が長い

 

「よし!今のポイントは良かった!」

 

という結果は既に過去のことです。

 

「あ〜!そこでミスしちゃダメだ!俺のバカ!」

 

という結果も同様に過去のことです。

 

メンタルの弱い選手は、結果に反応的になり、過去のことを考えている時間が長い傾向があります。

 

油断しやすい選手はメンタルの弱い選手とも言い換えることができます。

 

一方、メンタルの強い選手は、結果に反応的にならず、未来のことを考えている時間が長い傾向があります。

 

具体例をあげて説明します。

 

過去のことに反応的になる瞬間は例えばファイナルセット4-4のサービスゲーム30-40などの重要な局面でポイントを取った直後のほんの一瞬程度です。

 

そこでも、大きな雄叫びとともにガッツポーズをした直後には、次のデュースのポイントをどう取るかという未来のことを考え、未来の自分のプレーをイメージし、ポイント連取を狙っています

 

どんな結果の後も、すぐに未来のことをイメージしはじめているのです。

 

ポイントを取られた相手の集中力は逆に高まっている

 

ここまで書いてきた通り、人は良いことがあった後に油断します。逆に、悪いことがあった後は気が引き締まります。

 

つまり、自分が油断しやすい場面では、相手は集中力が高まっているということです。

 

このことを知るだけでも「油断している場合じゃない」と試合中自分に言い聞かせることができるでしょう。

 

こっちがいい気になっている時は、相手は逆襲に燃えているのです。

 

ポイント間は天狗にならずに、常に次のポイントをどう取るかをイメージすることに時間を使わなくてはいけません。

 

そもそもテニスは2ポイント連取しないと勝てない

 

さて、ここまではすべての選手に共通する、いわば人間の弱点について書いてきました。

 

最後はテニスのルールについて理解を深めることで、油断しない選手を目指します。

 

草トーナメントなどでよくある「ノーアドバンテージルール」や「6ゲーム先取ルール」は例外ですが、大学のリーグなど正式なテニスのルールは2ポイント差または2ゲーム差つけないと勝てません。

 

それはすなわち、ポイントを連取しないと勝てないということです。

 

テニスでは、ポイント連取が勝敗を決めるひとつのバロメーターとなります。

 

特に「ここから2ポイント連取すればゲームを取れる」という場面でのポイント連取率が鍵を握ります。

 

プロの試合を観ると注目データとして表示されるブレイクポイント取得率はまさにこの内のひとつです。

 

もう一度言います。テニスはポイントを連取しないと勝てないスポーツです。

 

今日書きたいことは以上です。是非、これを機に、微塵(みじん)も油断しない選手に生まれ変わってください。応援しています。

 

テニスはポイント取得してなんぼ!ポイントを取った直後は次のポイントをどうやって取るかをイメージしろ!