元某大学テニス部コーチブログ

学生テニスプレーヤーへ

スプリットステップが重要といわれる本当の理由。

実はこのブログ、大変ありがたいことに、週1回の定期更新を停止してからもアクセス数が伸び続けていて、今は月に7,000人以上の方に見ていただいています。

 

今回は久々の更新なのですが、こんなに多くの方に読んでいただけていることが本当に嬉しく、また筆を取りました。

 

ありがとうございます。

 

最近、自分がテニスをしていて改めて、「あぁ!これはとても重要だ!」と気づいたことがありました。

 

それが、スプリットステップです。

 

今回は、スプリットステップについて、その気づきを書きたいと思います。

 

ここ数年、ある大会で勝つという具体的な目標を持って、私自身もテニスをやり込んでいます。

 

やり込んでいるといっても、本業でサラリーマンをやっている人の中ではやり込んでいる方、という程度なのですが、具体的にどれくらいやっているかをいうと以下です。

 

  • 毎日30分の素振りトレーニン
  • 毎日15分の体幹レーニン
  • 週1回計3時間のレッスン指導
  • 週2回計3時間程度の練習
  • 月1回の試合参戦

 

たったこれだけですが、これを習慣化できるようになったのが大きいな、と我ながら思うわけです。

 

それもあり、今40歳なのですが、30代の頃の自分よりも今の自分の方が強い気がしています。もちろん20代の自分には敵わないのですが。

 

いや何がいいたいかというと、本番で勝つという目標を持ってやっているので、この限られた時間の中で、試合に勝つために今の自分に本当に必要なことをとことん追究しているということです。

 

そしてその中で、試合に勝つために必要で、重要で、基本的なスキルのひとつがスプリットステップで、それがなぜ重要なのかを論理的に理解することができたのです。

 

そんなわけで、自分のためにも、この機会にそれを明文化してみたいと思います。

 

それが皆さんの役に立つなら、それに変わる喜びはありません。

 

では本題です。

 

スプリットステップの最大の目的は「一歩目を早く出せるようにすること」ではないかもしれない

 

「スプリットステップをやった方がいい理由を教えてください」と聞かれたら、「相手が打った直後の反応、一歩目を早く出せるようにするため」というのが回答になると思います。

 

それは、間違いありません。

 

スプリットステップは、相手の打球音に合わせるようにレディーポジションで自分の両足を同時に着地させることで、左右前後、どこへでも動き出せる状態をつくるために踏みます。

 

ただ私は、そのこと以上に、プレーのパフォーマンスを上げる効果のある、別のポイントに気づきました。

 

スプリットステップはプレーを自動化するために踏む

 

このブログで以前、繰り返し伝えてきたことのひとつに「プレーの自動化」があります。

 

試合で自分が納得のいくプレーをするためには、プレーの自動化が不可欠です。

 

このブログには今はじめて来た、という方がほとんどだと思いますので、ここで改めてプレーの自動化とは何かを説明します。

 

簡単にいうと、「試合中、考えなくても難なくボールを打ち返せる状態」それがプレーの自動化です。

 

体勢を大きく崩されている時は別ですが、少し崩されたぐらいだったら打ち返せる状態です。自動化できるとつまらないミスをしなくなります。

 

試合では、まずこのプレーの自動化を目指します。相手を見て戦略や戦術を考えるのはその後です。

 

プロはもちろん、1ポイント目あるいは1ゲーム目からプレーを自動化できます。

 

マチュアでも、実績のある人は同様です。

 

しかし、アマチュアの大半は、プレーを自動化するまでに何ゲームか要します。

 

ジュニアで1,2回戦で負けてしまう選手や大学の最下部リーグの選手はプレーを自動化するのに時間がかかります。週末プレーヤーもほとんどの人がそうでしょう。

 

試合中のミスを減らせないまま負ける選手は、プレーを自動化できていないのに戦術を意識しすぎてコースを狙いにいってしまっているからいつまでもミスを減らせないのです。

 

また、自動化するまでの時間が長くなればなるほど試合が不利になるということは誰でも簡単に想像できると思います。

 

自動化のポイントはリズムとタイミング

 

では次に、どうすれば自動化できるのか、という話に移ります。

 

ポイントは、リズムとタイミングです。

 

ここでいうリズムとは、ラリー中に行き交うボールのリズムと自分の動作のリズムです。

 

タイミングとは、打点のタイミングです。

 

ラリーのリズムに動作のリズムを合わせられるようになると、打点のタイミングが合い、プレーを自動化できるようになります。

 

例えば、同レベルの同じ相手と2時間ラリーをし続ければ、最後は相手のボールに慣れて、比較的誰でもプレーを自動化できます。

 

相手のボールに慣れるという現象とは、具体的には、ラリーのリズムと動作のリズムが合い、打点のタイミングが合うようになるということです。

 

その後、球種や球速の異なるプレーヤーに相手を代えると、自動化できていたはずの自分のプレーは消えてなくなります。

 

「昨日の試合はよかった。今日の試合も同じようにプレーしよう!」と臨んだ試合が散々だった。。。という経験をしたことがある人は多いと思いますが、それは相手が代わったからです。

 

相手が代われば、ラリーのリズムも変わります。それにより、打点のタイミングがズレてしまうのです。

 

球速の速い相手に代われば振り遅れ、遅い相手に代われば打ち急いでしまいます。

 

相手が代わったらまたゼロからリズムとタイミングを合わせに行かないといけないのです。

 

まずラリーのリズムをつかむ

 

ラリーのリズムは、相手の打つ球種球速と自分の打つ球種球速で決まります。

 

リズムのベースはふたりの打球音です。

 

ふたりの球速球種に大きな差がなければ、打球音はメトロノームのように「ターン、ターン、ターン、ターン…」という一定のリズムになります。

 

例えば、スライスとスピンの打ち合いのように、球種が異なれば「ターーーン、ターン、ターーーン、ターン…」というリズムになります。

 

実際のラリーはそれらが複雑に混ざり、例えば、「アプローチ→ストローク→ボレー→ロブ→スマッシュ」という打ち合いであれば、「ターン、ターン、タン、ターーーン、タン」のようになります。

 

このように、試合に入ったら、まずはラリーのリズムを正確に理解します。これは誰でも簡単にできると思います。

 

スプリットステップは動作のリズムを合わせるための起点

 

自動化のカギは、このラリーのリズムに動作のリズムを合わせられるかです。

 

その動作のリズムを合わせるための起点がスプリットステップなのです。

 

スプリットステップは、相手の打点のタイミングで踏みます。

 

この相手の打点のタイミングをスプリットステップという動作でつかむ、それが自動化に向かう一歩目です。

 

もちろん、スプリットステップを踏むタイミングに集中しすぎて、その後の動作を止めてしまってはいけません。

 

スプリットステップ直後は流れるように肩を入れながらフットワーク、軸足をセットし、スイングします。

 

スプリットステップという動作で相手の打点のタイミングをつかみ、スイングという動作で自分の打点のタイミングをつかむのです。

 

ラリーのリズム「ターン、ターン」に、動作のリズム「ステップ、スイング」を合わせるということです。

 

つまり、スプリットステップの最大の目的は、ラリーのリズムを身体でつかむことといえます。

 

スプリットステップをしっかりして、ラリーのリズムを身体でつかんで、プレーを自動化してみてください。

 

今日伝えたかったことは以上です。

 

もしよろしければこのブログで今一番読まれている次の記事も参考にしてみてください。

 

 

 それではまた、きっとどこかで。