元某大学テニス部コーチブログ

学生テニスプレーヤーへ

試合で自分の力を100%発揮するためのヒントがナダルの練習時の姿勢にある。

このブログで度々書いているように、選手なら、試合本番で今持っている自分の力を100%以上発揮することを当たり前にできなくてはいけません。

 

今回書く内容もその能力を身につけるためのヒントにしていただけると嬉しいです。

 

 

実は先日、小学2年生の息子が10歳以下のグリーンボール(弾力が通常の75%のボール)の大会にはじめて挑戦しました。

 

それまではオレンジボール(弾力50%)の大会しか出たことがありませんでしたが、3回優勝できたので次のステージに挑戦することにしました。

 

はじめての挑戦ではあるものの、これまでの優勝経験があったため、グリーンボールの大会でも優勝できる可能性はあると本人も考えていたと思います。

 

しかし、結果は予選リーグでなんとか1勝し2位になるものの、1位2位トーナメントの1回戦で1-6の完敗。

 

息子は「思っていたよりグリーンボール大会で勝つのは難しかった」と思ったに違いありません。

 

グリーンボール大会がはじめての経験だったので仕方のないことですが、敗因は見積もりの甘さにありました。

 

相手のレベルを正確に把握するまでに時間がかかり、自分の力の80%を発揮するのは試合終盤、そこからでは手遅れでした。

 

今回は、自分の力を1ゲーム目から80%以上発揮するために何をするといいか。その一例を提案します。

 

相手によって気持ちの強さが変わっていてはダメ

 

1試合目にこの日優勝した選手に敗戦しているので、気の引き締まった2試合目の方が良かったのは確かです。

 

しかし息子にはもうひとつ欠点があります。

 

それが、序盤から強い気持ちで立ち向かっていくプレーイメージを持てていないことです。

 

以前、試合に勝つためには「勝つイメージ」が必要という話をしましたが、それは決着をつけにいくイメージです。今回は試合の入り方のイメージです。

 

本人は強い気持ちでプレーしているつもりです。しかし、息子の場合、毎回強い気持ちが少し不足しているため、勝てる試合も接戦となることが少なくありません。

 

いわゆるスロースターターです。

 

相手の様子を伺ってる間に相手のプレーに引きずられることもあります。

 

極端に言うと、相手のプレーがのんびりであれば自分ものんびり、相手が気合を入れて戦っていればそれに答えるように自分も気合を入れるといったイメージです。

 

試合は強い気持ちでいつもの自分を相手にぶつける場

 

選手は、相手から影響を受けていてはいけません。それは受け身となり、後手に回りやすくなります。

 

その状況に陥る原因は、自分が実践すべきプレーイメージが持てていないからです。

 

「自分はこういうプレーをしていく」という強い意志、強い気持ちとプレーイメージ、つまり、誰が相手でもブレない姿勢が勝利には不可欠です。

 

小学生の低学年であればそれに気づけている選手は多くはありません。それでも、その重要性を理解することはできます。理解できれば、たとえ小学2年生でも習得できます。

 

ナダル練習動画参照:声の大きさが強い気持ちのバロメータ

 

試合中にどれだけ命をかけられているか、それが問題です。気持ちの強さが勝敗を左右します。強い気持ちがないと持っている力を100%以上発揮することはできません。

 

そしてそれは、相手のレベルや会場の雰囲気に関係なくやり切るのが試合における選手のあるべき姿です。

 

相手が誰であろうと、予選であろうと、決勝であろうと、同じように全力で戦います。

 

しかし難しいのが前述したように、本人は同じようにやっているつもりができていないことがある点です。相手や会場の雰囲気に影響を受けるためです。

 

その解決策のひとつが、打つときにナダル選手のように声を出すことです。

 

ナダル選手に見習うべきは、それを練習でも常にやっていることです。練習日のはじめのウォーミングアップのラリーを開始して5分も経たない内に声を出しながらプレーしはじめます。

 

次の動画では、アップ開始後2分で声を出しはじめ、その声は徐々に大きくなり、10分後には試合本番と変わらない大きさになっていることがわかります。

 

 

この声が強い気持ちと変わり、体を突き動かします。練習の時から欠かさず出しているので、試合本番でも同じように声を出すだけで、容易に強い気持ちを大きく育てることができるようになります。

 

 

油断しやすい選手がフェデラーの真似をするのは危険

 

この対策は、甘さのある選手や油断しやすい選手に特におススメです。

 

逆に、油断しやすい選手がフェデラー選手のようにクールな立ち振る舞いを真似すると余計油断しやすくなります。

 

クールな立ち振る舞いは、試合の本質をわかっている、意志の強い選手にしか真似できません。

 

多くの人にとって真似しやすく、成果を出しやすいのはナダル選手の姿勢です。

 

是非、これを機に、次の練習ではボールを打つときに声を出してみてください。強い気持ちを生み出すことができ、自分のパフォーマンスを簡単に上げられることを実感できると思います。

 

試合はもちろん練習も情熱的に、同じように声を出してボールを打て!そうすればパフォーマンスを高く維持できる!