自分なりの「コツ」が変わり続けるのは選手が成長を続けている証拠。
「少し経つと自分なりのコツが変わる。いつまでもさまよっている感じ。これってもしかして、成長できてない?」
このような心配をしたことがある選手もいるのではないでしょうか。
「これさえできればうまくいく!というコツがよく変わる…」
ここでいうコツは技術的かつ具体的なコツです。例えば以下。
- まず肩を入れる
- 肘から引く
- 打点に顔を残す
- キャリオカステップを使うなど
実は私自身が学生の頃そう心配したことがありました。その頃は、「心配しても仕方ないから今に一生懸命になろう」と考え悩むのをやめた記憶があります。
もしその時に「コツが変わる」ということがどういうことか理解でき、立ち止まることがなければ、その後の成長率は上がっていたようにも思います。
なので今回は、同じように心配している選手のために書きたいと思います。
試合でのコツと練習でのコツ
さて、この問題、結論から言うと、練習で「コツが変わる」のは問題ありません。ただ、試合で「コツ」ばかりを意識し、そう感じているようなら変わらなければいけません。
試合での話は、以前の記事「試合では「自動化」できている技術しか使えない。運動学習でいう自動化とは?」で書いた通りです。
試合中に、打ち方のコツや自分のパフォーマンスを上げるコツを意識するのははじめの2ゲームとパフォーマンスが落ちかけた中盤などに少し再確認する程度です。
それ以外は、何も考えなくても打てる(=自動化)状況をつくり戦います。
もちろん、技術的に問題を抱えていればコツを意識せざるをえません。それをクリアできたら次は、相手の弱点や心理、ラリー展開などを分析し戦術を具体化し、実践するという作業に注力します。
つまり、技術的なコツを意識することは限りなくゼロに近づけられた方が良いといえます。
また、試合で自分のプレーを自動化させるためのコツはほとんどの場合「テニスの基本」を意識する作業となります。なので、それはコロコロ変わることは少ないでしょう。例えば以下です。
- 足をしっかり動かす
- 準備を早くする
- スイングが小さくならないように身体の可動域を広げる
- 頭や軸をブラさない
要は、まずは緊張で凝り固まったカラダをほぐす。次にブレやズレを正しプレーの精度を上げるという基本的な作業です。これが変わることはないといってもいいでしょう。
コツを意識しない練習は無意味
一方、練習でコツが変わっていくというのはどういうことでしょうか。
練習では、「そうか!こうすればいいのか!」という自分なりのコツを発見し、それを強く意識することがとても重要です。
練習で、できていないことをできるようにする、または、できていることをさらに強化するためには、発見したコツを意識して繰り返し打つ以外の方法はありません。
自分なりのコツを意識しないオンコート練習は時間の無駄と言っても過言ではありません。
コツが変わることを心配しているということは、コツを意識できている証拠です。良い状況といえます。
コツが変わる2つの理由
毎日のように練習をしている選手の場合、コツが変わる理由は次のふたつのいずれかです。
- そのコツが数日で自動化された
- よりよくなる新たなコツを発見した
いずれも、たくさん打っているからこそなし得ることです。
特に2の新たな発見が多い選手はころころコツが変わるために冒頭の心配をしやすいのかもしれません。
しかしそれは「よりよくなるコツ」なので問題ありません。
もし、新しいコツを導き出した際に、よくなっている手応えがなければ、それは捨てなくてはいけません。「これを意識すると明らかによくなる!」というもの以外はどんどん捨てます。
これは、先輩やコーチからのアドバイスなども同じです。
アドバイスを受けて、やってみて、ピンとこなければ捨てます。
それが前提になっていれば、コツが変わることは良い方向に向かっていると考えて良いでしょう。迷わず練習を続けてください。
「セルフフィーリング」という名の練習法
最後に、この発見したコツをより効率的に意識し、定着させることのできる「セルフフィーリング」と呼ばれる練習法を紹介する動画を共有します。
これは、日本からプロ選手を世界に輩出している「みんラボ」さんのFacebookページで紹介されていたものです。是非、参考にしてみてください。