元某大学テニス部コーチブログ

学生テニスプレーヤーへ

現代のダブルスにおけるボレーはパワーストロークに対する慣れが不可欠。

ダブルス強化のためにどんな練習が効果的なのか。今回は具体的な練習メニューと合わせてこれに答えます。

 

テニスは、ラケットとガットの進化が著しいスポーツです。そのことにより、パワーとコントロールを両立しやすくなってきています。

 

それは、サーブとストロークで特に発揮されます。

 

そうなってくるとこの記事タイトルにある通り、ダブルスではそのパワーに対応するボレーの練習が重要になってきます。

 

もちろんリターンもですが、それはシングルスにもいえることなので、ダブルスがテーマの今回はボレーの話をしたいと思います。

 

以前は、強いダブルスペアはふたりでボレーをするツートップが当たり前でした。平行陣です。

 

しかし、前述のツールの進化にともないその常識は変わりました。テニスプレーヤーのストローク力が底上げされた結果、ダブルスでもベースラインから低い軌道でストロークを強打し、甘くなったボレーをさらに攻めたてる戦術が一般的になりました。

 

とはいっても、ふたりでベースラインに構えるツーバックは相手に心理的プレッシャーを与えられず、相手ストローカーのミスを誘えなくなるため極力とるべきではありません。

 

ツーバックを選択するケースは、ビッグサーバーが相手でそのファーストサーブの時くらいでしょう。

 

様々なシーンで試合を観てきた感覚知ですが、強いダブルスペアのイメージで言うと、数年前まではポイントの7割で平行陣をとっていたものが、今は5割となり、残りの5割は雁行陣をとるようになったイメージです。

 

大学のリーグなど、学生プレーヤーの世界では、ボレーの技術よりもストロークの技術の方が優れた選手が多いため、ポイントの7割以上で雁行陣をとっているというのが現状です。

 

つまり、現代のダブルスは、パワーストロークに応戦できるネット際でのボレー技術が不可欠になってきているといえます。

 

そしてこれは、男性選手はもちろん、女性選手や週末プレーヤーで試合に出ている人も同じです。

 

逆にいうと、女性選手も週末プレーヤーで試合に出ている人も、ツールが進化した分ストロークにパワーを持たせられなくては試合を有利に進めることができないということでもあります。

 

では、どうやってそのボレーを身につけていくかという話に移ります。

 

これは、ボレーに限ったことではないのですが、一番必要なことは「慣れ」です。

 

このブログで繰り返し重要と主張している「プレーの自動化」も、要は相手のボールに慣れるということです。

 

基本的なボレーができる前提で、ボレーヤーに対して打つボールのスピードを上げていきます。

 

具体的な練習メニュー

 

最後に、このボレー力を高めるための球出し練習とラリー練習の具体例を紹介します。

 

球出し練習

 

ダブルスの雁行陣対雁行陣を想定し、ストローカーのポジションから球出しをし、この練習の主役であるボレーヤーはネット前にポジションをとり向き合います。

 

球出しはベースラインのすぐ後ろから、ボールを軽く上に放ってからワンバウンドさせ、フォアハンドストロークを強打するように出します。

 

ストレートアタックのイメージです。

 

その際、慣れるまではボレーヤーのフォア、バック、ボディ、どこに打つかを指定したり、強打するボールのスピードを少し抑えてもいいでしょう。

 

ボレーヤーは、一歩前へステップインしてスプリットステップを踏むと同時に、相手ストロークの打点時の面の向きを分析し、瞬時にボールに反応し、ブロックボレーで返球します。

 

打ち返すボレーのコースは、相手が雁行陣のベストポジションをとっている前提でセンター(ふたりの間)、サイド(ストローカー側のアレイ)、あるいはストローカーの足元深くに返球します。

 

とはいっても、相手の軌道の低いパワーストロークの返球のため、「打点に入ったその瞬間の体勢で最も返球しやすいコースに打つ」と考えてもよいでしょう。

 

ラリー練習

 

前述の球出し練習の形から、ボレーヤーが返球したボールを球出し役が打ち返しボレー対ストロークで半面ストレート勝負をします。

 

ストローカーは打てる時はしっかり強く、低く打つこととしますが、どうしても打てない時はロブなどを混ぜてもよいものとし、真剣勝負で実践的に打ち合います。

 

さらに、そこから2対2で一面勝負としてもよいでしょう。

 

今日お届けしたい内容は以上です。是非、次回の練習に取り入れてみてください。


それではまた、きっとどこかで。