元某大学テニス部コーチブログ

学生テニスプレーヤーへ

デュースや30-30で得点してもガッツポーズしない。という自分ルール。

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今回はこれをおすすめします。

 

これについて考えさせられたのは、少し前にやっていた全豪オープンナダル対キリオス戦をネット観戦していたときです。

 

「もしかしてナダル選手は、デュースとか30-30で得点した時はガッツポーズしないと決めているのかな?」

 

こう思わされました。

 

それから注意深く観察してみたところ、実際は先にリードした時にガッツポーズしていることもありました。しかし、そのガッツポーズはとても小さいものでした。

 

この試合は激戦の末ナダル選手が勝利します。カウントはナダル選手から63,36,76,76。お互い21回ずつリターンゲームをしていて、ブレイクした回数もお互い2回だけ。ふたりのサービスキープが永遠と続く試合でした。

 

ふたりともブレイクポイントさえなかなか掴めないという状態がずっと続いていた上、キリオス選手は言わずと知れたビッグサーバーです。そのため、このことに気づかされたのはナダル選手のリターンゲームでした。

 

ナダル選手のブレイクポイントになると観ている方は「ブレイクポイント来た!」と興奮するわけです。ところがナダル選手は特に喜んだ様子も見せず、淡々と次のプレーに向けて準備をしていたのです。

 

しかしこれは、観戦者ではなく、テニスというスポーツをよく知るプレーヤーの立場になって考えてみれば当たり前のことです。

 

以前の記事「 油断しない選手になるためにテニスのルールを正確に理解する」でも書きましたが、テニスというスポーツは、ポイントもゲームも連取しないと勝てないスポーツなのです。

 

1ポイント取ること、1ゲーム取ることにはあまり価値がないのです。2ポイント連取、2ゲーム連取してはじめて価値が生まれます。

 

同様に、ブレイクポイントには価値がありません。ブレイクしてはじめて少し価値が生まれます。

 

だから、デュースや30-30で得点した直後、「ブレイクポイントを得られた」という過去を喜んでいる場合ではないのです。「このブレイクポイントをどうやってものにする」かという未来のことに意識をフォーカスするのです。

 

それがわかっていれば、デュースや30-30で得点しても、自ずとガッツポーズはしなくなります。

 

一方、学生プレーヤーの中には、わかっているけどなかなかできない、メンタルに波があるタイプの、ある意味で未熟な選手もたくさんいると思います。

 

そういった段階の選手におすすめするのが次の自分ルールです。あまり難しく考えるのではなく、

 

「デュースや30-30で得点しても喜ばない」

 

そう決めて、ただ実践するのです。きっと、自ずと次のポイントをどう取るかを考えられるようになり、勝率が上がります。

 

自分ルール、おすすめです。

 

それではまた、きっとどこかで。