元某大学テニス部コーチブログ

学生テニスプレーヤーへ

チーム力を最大化するために不可欠といわれる心理的安全性とは?またその高め方。

前回の記事「ダブルスの落とし穴。自己主張できない選手が試合序盤に陥りがちなこと。」で、心理的安全性について言及しました。 簡単にいうと、ダブルスでは、心理的安全性なしに、ペアのパフォーマンスを最大化することは不可能という話をしました。 今回…

ダブルスの落とし穴。自己主張できない選手が試合序盤に陥りがちなこと。

前回の記事「試合に勝つために「相手の弱点を見抜く」をしちゃダメな時がある。」では、相手を観る前に自分を観ろと書きました。 自分のパフォーマンスを最大化し、自分のプレーを自動化することが最優先。相手の弱点を突くのはそれができてから。 前回の記…

試合に勝つために「相手の弱点を見抜く」をしちゃダメな時がある。

テニスの試合に勝つために、できるのならば、相手の弱点を探し、そこを突くべきです。 例えば、相手に以下の弱点があることに気づければ、それだけ試合を優位に進められます。 フォアよりバックの方が不安定 あるいはその逆 スライスの返球率が低い 左右に動…

就活と部活を当たり前のように両立できる環境の作り方。

以前の記事「庭球部のリーグ目標は「昇格」以外ない。部員はそれを望み、何より自分のためにやり切れ。」の冒頭でも書きましたが、大学庭球部は10月に新しい代にバトンが渡されます。 団体戦であるリーグを戦うチームが新しい世代に受け継がれます。 節目の…

夢も中長期目標もいらない?年単位の目標と計画を明確化してやり切れば、それだけで輝く。

最近、例えば、2年後3年後といった中長期的な目標と計画はいらないと考えるようになりました。 それは、個人としても、チームとしてもです。 理由は、1年を超える将来には何が起きているかはわからないからです。変化の激しい現代は、外的要因で状況が変わる…

自分なりの「コツ」が変わり続けるのは選手が成長を続けている証拠。

「少し経つと自分なりのコツが変わる。いつまでもさまよっている感じ。これってもしかして、成長できてない?」 このような心配をしたことがある選手もいるのではないでしょうか。 「これさえできればうまくいく!というコツがよく変わる…」 ここでいうコツ…

庭球部のリーグ目標は「昇格」以外ない。部員はそれを望み、何より自分のためにやり切れ。

関東の大学の庭球部はリーグが終わり、ようやく肩の荷がおりた選手たちはオフを満喫しているかもしれません。 あるいは、もう来年に向けて動き出しているという選手もいるでしょう。 そして、この時期に特に慌ただしくなるのが新幹部ではないでしょうか。 来…

試合中に嘆いても何ひとついいことはない。試合中の表情は意識的につくれ。

錦織選手の試合を観ていてよく思うことがあります。 他のトップ選手と比較して、嘆いている回数が多い。嘆いている時間が長いと言った方が正しいかもしれません。そして、ガッツポーズが小さい。 もちろん程度の差はありますが、現世界トップ3である、ジョコ…

試合では「自動化」できている技術しか使えない。運動学習でいう自動化とは?

運動学習における3つの段階という話を聞いたことがあるという選手も少なくないと思います。 ある運動を習得するまで、例えば、「バックハンドスライスをはじめて見た」ところから「試合でバックハンドスライスを難なく使えるようになる」までには大きく分け…

レギュラーを部内ランキングで決め、部内戦が活発化しているテニス部は強くなる。

関東にある大学のテニス部は、今まさにリーグ本番です。今日が最終戦という部も多いでしょう。今年は男子が全77校、女子が全66校。しのぎを削って戦っています。 私がコーチを務める大学ももちろん戦っています。本番直前、部員には以下のメッセージを届けま…

3セットマッチでプロも実践するシンプルで効果的なシングルスの戦略事例。

前回の記事「相手がいないところに打つのがテニス!ではない。」の最後に予告した通り、今回はトッププロも実践するシングルスの戦略、3セットマッチ編をお届けします。 これはあくまで一例です。これを参考に、自分のプレースタイルにマッチした戦略を構築…

相手がいないところに打つのがテニス!ではない。

以前、主にシングルスを想定して、試合序盤は「打つべきところ」ではなく「打てるところ」に打てと書きました。 そこでは、打点にアジャストしきれていない序盤は、オープンコートを狙って技術的に難しいストレートを選択してミスすることを減らすべき。リス…

トップスピンを打つ時も、フラットのようにボールを潰しながら回転をかける。

先日、カナダのモントリオールで開催されたATP1000のロジャーズカップを現地観戦してきました。 ひと席5万円もするセンターコートの前から3列目の席をおさえて。奮発した理由は、最大の目的がフェデラー選手を観ることだったからです。しかし、残念ながらフ…

野心家のみが真に強い選手になれる。その野心は没頭と苦悩の先にある。

前回の記事では、「没頭は「しろ」と言われてできるものではない。いや、それでもできるようになる。」と書きました。 大学のリーグ選手の場合、この「テニスに没頭する」というステップはとっくにクリアしているという選手も多いと思います。 私がコーチを…

没頭は「しろ」と言われてできるものではない。いや、それでもできるようになる。

このブログでも再三伝えていることのひとつに「没頭せよ」があります。没頭こそが唯一、人を大きく成長させる手段だと。 以前の記事「圧倒的な成長をもたらす昨日の限界を超える習慣」でも書いた通りです。 没頭する対象はテニスでも何でもいい。何かに没頭…

結局のところ体に染み付いたショットの質をどれだけ高められているか。

全仏オープンでナダル選手が相手を圧倒しているのを観ていて、これに尽きるなと思わされたのを覚えています。 ジョコビッチ選手を観ていてもいつもそう思わされます。 「打てばボールはそこに飛んでいく」 そういったショットの質。もちろん狙っているわけで…

トニ・ナダル著「ナダル・ノート」に記されたシンプルなメッセージ

我が家はたまに小学生の息子と妻の3人で本屋に行きます。本屋ではそれぞれ別行動。読みたい本を読みにいき、ほしければ買うというスタイルです。 先日、家族で本屋に行った際に私が見つけたのが、ナダル選手の叔父でコーチのトニ・ナダル著「ナダル・ノート…

圧倒的な成長をもたらす昨日の限界を超える習慣

「若いって素晴らしい」 日々成長する大学の選手たちやテニス好きの息子を観ていていつも思わされることです。 いや、本当は年齢は関係ないのでしょう。歳をとった自分の成長率と子供たちの成長率があまりにも違いすぎるために、歳をとったら成長率はなだら…

フェデラー「バックハンドは両手がおすすめ」それでも本人は片手にこだわった。

昨日のウィンブルドン決勝で37歳にして素晴らしい戦いをしたスイスのロジャー・フェデラー選手が、そのすこし前、今年2019年の芝シーズンに入った頃、スポーツメーカーであるWilsonの取材に応じ、次のように話していました。 「自分の子供達には、バックハン…

ポジション別に選択すべきショットのイメージを持てればプレーの質は上がる

以前、シングルスの基本戦術について書きました。 今回は、その基本戦術を強化するための話です。ダブルスにも言える部分はあるので参考にすることはできると思います。 また、ここで言っていることはあくまでも基本です。これだけを徹底していれば勝てるよ…

自分のミスに嘆く時間が長ければ長いほど負けに近づいている

今回は、試合中の振る舞いは勝敗にも大きく影響するということについて書きたいと思います。 もちろん、相手と1対1、ないしは2対2で対峙し、ボールを打ち合うテニスは、相手との実力の差で勝敗が決まります。つまり、例え振る舞いが悪くても、実力が高ければ…

メンタルが弱い選手ほど「あと1ポイント取るだけ」という場面ではじっくりプレーする

以前、ポイント間とラリー中に考えるべきことについて書きました。 そこで、ポイント間は、ミスをしたさっきのポイントのことを考えるのではなく、これから迎える次のポイントをどうやって取るかということだけを考えろと書きました。 過去ではなく、未来の…

「どんな打点でも打てる」より「どれも同じ打点で打てる」の方が強い

今回はテニスの打点の話です。打点の話といっても具体的に「ここで打ちましょう」という話ではありません。 打点がどこかは自分で探してください。打ちやすいところが正しい打点です。 逆にいうと選手ならば、自分で探せるくらいたくさんボールを打って自己…

試合で自分の力を100%発揮するためのヒントがナダルの練習時の姿勢にある。

このブログで度々書いているように、選手なら、試合本番で今持っている自分の力を100%以上発揮することを当たり前にできなくてはいけません。 今回書く内容もその能力を身につけるためのヒントにしていただけると嬉しいです。 実は先日、小学2年生の息子が10…

試合序盤は「打つべきところ」ではなく「打てるところ」に打て

以前、持力(じりょく)と実力という考え方について書きました。もともと持っている力と試合で発揮できた力。勝率を上げるためには、持力をどれだけ試合本番で発揮し、結果的に実力を高めることができるか、それが重要だと。 練習の時だけ強くても意味がない…

「相手は格下だ」と考えて良いことなどひとつもない!どんな相手もリスペクトせよ

前回の記事でポイントやゲームを取った直後の油断を解消するための話をしました。 また、この油断とは別に、格下の相手に対する油断があると書きました。 今回は、この格下の相手に対する油断を解消するための話について書きたいと思います。 もちろん、勝負…

油断しない選手になるためにテニスのルールを正確に理解する

試合に勝つために戦うテニスプレーヤーたちは皆必ず「油断する自分」と戦う時期があります。 油断が原因で、格下の相手に負けたり、必要以上に試合が接戦になったり。もしかしたら油断している自覚がない選手もいるかもしれません。 正しい知識と強い意志が…

ダブルス力UP!ボレーヤーのプレッシャー不足と決定力の低さを改善したい

学生テニスプレーヤーは皆まずシングルスを想定して練習します。そのためダブルスがわかっていない選手は少なくありません。また、学生の試合には一般のスクールで教わるダブルスの基本が当てはまらないことも多く、学生選手向けの情報が少ないのも事実です…

部を潰すなよ?少数精鋭の正しい進め方

以前、「チームを強化するために主将がまず分析すべき部員4タイプ」と題して、チームづくりの話をしました。 そこでは、「たとえ、選手として必要な努力ができない部員がいても、みんなチームの力になれるから、すべての部員の力を結集することを考えてチー…

輝け学生!圧倒的に打ち込め!圧倒的に打ち込みながら、考えろ!

私がこれまで大学で選手たちに伝えてきたことのひとつに「考えよう」があります。 練習の「質」を上げるのがコーチの役割のひとつです。そのためには考えることが不可欠です。 とはいっても、「もっと考えなさい」と直接伝えているわけではありません。「自…